1月19日(土)、東京・ジャカルタ・バンコクの3拠点を繋いで、MYコンパスカレッジの1月定例会が開催されました。

今回のテーマは「駐妻2.0~オンラインで作る新しいキャリア~」です。

「駐妻」とは、駐在妻のこと。駐在妻とは、夫の海外赴任に帯同する妻のことです。
このレポートでは、当事者に馴染みの深い「駐妻」という記載にしています。

第1部では、弊社代表でキャリアコンサルタントの岩橋ひかりより、「オンライン&コミュニティから生まれる『新しい働き方』」についてお話しさせていただきました。

続く第2部では、「オンラインを活用した駐妻キャリア形成の実例」と題して、ジャカルタとバンコクに住む現役駐妻のお二人と、オンラインでパネルディスカッションを行いました。

企画運営をすべてMYコンパスラボのプロジェクトで行なった、今回の定例会。
リアルな駐妻の思いがぎっしり詰まった、心震える定例会となりました。

このレポートでは、定例会の内容や参加者の感想をたっぷりお届けします!
ぜひ最後までお読みくださいね。

第一部 オンライン&コミュニティから生まれる「新しい働き方」とは?

■時代の変革期を生き抜く働き方を手に入れるには…?
今、時代は変革期を迎えています。
人口構造が変化していることはもちろん、AIの台頭による生活の変化など、5年後、10年後が全く予想できない時代に、私たちは生きています。

そんな時代の変革期を生きるために必要なものは何でしょうか?

今までは「未来を予測すること」がその答えでした。起こりうることを事前に予想することで、先に対応策を考えるというやり方です。

しかし、今、未来は予測不能です。
私たちにできる事は、自分たちで未来を作っていくことだけ。

どうなるかわからない時代は、どうにでもできる時代とも言えます。
未来を作るためには「こんな未来にしたい」という思いが必要です。

「自分はこうなりたい」という意思を持って進んでいけば、この変革期を生き抜くことができるのです。これこそが、時代の変革期を生き抜く働き方を手に入れるための方法です。

■必要なのはMYコンパス
ここで、改めて「MYコンパス」についてご紹介します。

MYコンパスは、キャリアコンサルタントである岩橋ひかりが、キャリア理論と自身の経験則から創り出した造語で「キャリアの指針」を意味します。

つまり、「自分はこうなりたい」という意思です。

MYコンパス(=キャリアの指針)を持つことで、自分のやりたいこと、目指す方向性が明確になり、行動できるようになります。

■MYコンパスの見つけ方
では、MYコンパスはどのように見つけられるのでしょうか?

MYコンパスは、3つの要素で構成されています。
・理想のライフスタイル
・自分らしさ
・つくりたい未来

キャリア理論において、そもそも「キャリアとは、人生そのもの」。
MYコンパスを見つけることは、「自分らしい生き方」を決めることを意味します。

MYコンパスの見つけ方は、以下の3ステップです。

Term1:MYコンパスをつくる土台をつくる〜本心を覆う思い込みを取り払う〜
Term2:MYコンパスを仮決定する〜自分がやりたいことを見つけていく〜
Term3:MYコンパスを確立し行動する〜軌道修正しながら行動し自走していく〜

この順番が大切で、特にTerm1で思い込みを取り払う作業がとても重要です。

※実際の過程は【自分らしさ発見ワークブック】にまとめられていますので、取り組んでみたい方はぜひダウンロードしてみてください。
>>自分らしさ発見ワークブック

■MYコンパスとコミュニティ
ここで少し、キャリア理論の話をします。

キャリア理論においてキャリア開発とは、「自己概念の開発を通じて、個人のキャリア形成を図ること」とされています。
自己概念とは、哲学的ですが「自分は何者か」という問いへの答えです。

では、自己概念はどのように形成されるのでしょうか。

自己概念、つまり「自分は何者か」という問いへの答えは、以下の流れで形成されていきます。

他者との関わりや様々な経験

自己の客観視

自問自答

(ここまでを繰り返し)

自己概念の形成

実は、この「自己概念の形成」を効果的に行なっていけるのが、コミュニティなのです。

まず、他者との関わりや様々な経験を得るには、コミュニティが最適です。
自分と違う考え方の人がいて、自分と似た考え方の人がいて、自分が目指す方向のちょっと先行く人たちがいます。

また、自分の理想(=つくりたい未来)を共有できる仲間がいます。オンラインなら世界のどこにいても何をやっていても仲間に出会うことができます。

コミュニティ=自分自身の理解をより深められる場。

キャリアコンサルタントの岩橋ひかりが、MYコンパスカレッジやMYコンパスラボといったコミュニティを運営しているのは、それがキャリア支援の一番効果的な方法だからです。

■MYコンパスを持とう!
MYコンパスを決める最大のメリットは、「仲間が集いやすい」ことです。

MYコンパスは、いわば「人生の旗」のようなもの。
それぞれが立てた旗に共感したり、近しい方向性を持っていたりする者同士が集まることで、つくりたい未来がぐんと近づきます。

MYコンパスを持つことで、自分のやりたいことや目指す方向が明確になり、行動できるようになります。行動できるようになれば、予測不能な時代の中で、未来を自分で作っていくことができます。

今、この時代だからこそ、MYコンパス(=キャリアの指針)を持つことの必要性が高まっているのです。

第二部 パネルディスカッション〜オンラインを活用した駐妻キャリア形成の実例〜

第二部はパネルディスカッションです。

駐妻は、ビザの関係や言語の壁などで就労することが難しく、専業主婦になるケースがほとんどです。

多くの駐妻は、働けないストレスを抱えていたり、帰国後のキャリアについて思い悩んでいるという現状があります。

そんな駐妻のリアルに切り込む、今回のパネルディスカッション。
レポートは対談形式でお届けします!

登壇してくださったのは、こちらの方々です。

佐々木真紀子さん

MYコンパスラボ所属。
働きたい駐妻コミュニティ「まなとも」発起人。
バンコク生活を経て、現在はインドネシア・ジャカルタ在中。
「働きたい駐妻」をテーマに発信中。
ブログ:https://ameblo.jp/makiko0416/

吉道真由子さん

MYコンパスラボ所属。
働きたい駐妻コミュニティ「まなとも」運営メンバー。
バンコク在住。2019年3月に母子での本帰国を決定。
ブログ:https://ameblo.jp/happylife-bangkok/

進行:岩橋ひかり

株式会社MYコンパス 代表取締役社長
キャリアコンサルタント

■真紀子さんと真由子さんについて教えて!
岩橋:
まずはお二人の自己紹介をお願いします。

佐々木:
ジャカルタ在住、「働きたい駐妻」の佐々木真紀子です。
私は元々、新幹線通勤をするくらい仕事が大好きです。
なので、駐妻になるというのは専業主婦になることを意味するので、「自分では絶対に選ばない選択肢」でした。
本当に本当に悩みましたが、人生の実験という感じで駐妻になるという選択をしました。
駐妻になってみて「働きたい」という自分の気持ちに気付き、「働きたい駐妻」として発信をしています。
発信を続ける中で、同じように考えている駐妻との繋がりができ、働きたい駐妻コミュニティ「まなとも」を立ち上げることになりました。

吉道:
私は特に「働きたい」と思っていたわけでもなく、結婚する時に仕事をあっさり退職しました。直後に妊娠したので、そのまま出産。
何かやりたいけど自分のやりたいことがわからずモヤモヤしていた時に双子を妊娠し、3歳くらいまでは目の前の家事と育児で精一杯でした。双子が3歳くらいになって、少し落ち着いてきたところで再びモヤモヤ。
この頃に夫の駐在が決定し、2017年3月にバンコクにきました。
いろいろ考えて、2019年3月に本帰国することを決めました。

■驚きの母子のみ本帰国!その真相は?
岩橋:
ちょっと会場がざわついているので、先に真由子さんの本帰国について伺いましょうか。
どうして本帰国することになったんですか?

吉道:
私は元々、働きたいと思っていたわけではありませんでした。
任期を全うして帰ることしか考えていなかったのですが、MYコンパスラボに入っていろんな人の考え方に触れるうちに、仕事にフォーカスしたくなってきて。
今まで家事と育児に時間をたくさん割いてきたな、という思いもあり、タイミングは迷ったのですが、2019年3月に本帰国し、「日本で仕事を探すこと」を決めました。

岩橋:
旦那様の反応はどうだったんですか?

吉道:
夫に本帰国したいと伝えたことはなかったんですが、夫の方からポロっと「離れて暮らした方が、帰国の休暇がもらえることもある」という話が出てきまして。夫は休みもほとんどなく、土日も家にいないことが多かったんです。そこからの話だったのですが。
その時に、本帰国を考えていることを伝えて、そこから夫と話をすることができました。

■駐妻はオンラインやコミュニティをどのように使ってるの?
岩橋:
MYコンパスラボやご自身で運営されているコミュニティなど、コミュニティやオンラインを駆使している駐妻のお二人。それぞれどのようにコミュニティを利用しているのか教えてください。

佐々木:
MYコンパスラボ期間=駐妻期間なので、ほとんどメンバーには会った事がないですが、MYコンパスラボがなければ、駐妻としての私はないだろうなと思っています。
ラボという挑戦する場があって、今の私があります。
MYコンパスラボに所属していて「いいな」と思うのは、一人じゃできなくてもみんながいればできるという事が、どんどん起こること。
シンガポールツアーを企画して、現地でイベントを開催したりしましたが、会社員ワーママだったら絶対やらないだろうなと思います。
仕事をしていないくても、やりたいことをどんどんできたり、やりたいことについて実験ができているのが、とても大きなメリットです。

吉道:
MYコンパスラボでは、オンライン講座のチューターを経験させていただいてます。
MYコンパスアカデミーを通じて「こんな私でも何かできるかもしれない」と思えるように変わったので、そういう人が増えればいいなという思いでチューターをやっています。
また、ひかりさんがバンコクにいらっしゃった時のシークレットセミナーの運営もさせていただきました。
働いていた頃は一人で黙々と作業するばかりだったので、MYコンパスラボは、企画運営や人前で話すなど、新しい挑戦や経験ができる貴重な場でもあります。

■コミュニティ運営者として感じていることは?
岩橋:
お二人はMYコンパスラボだけではなく、ご自身でも「まなとも」というコミュニティを運営されていますが、そこで感じることはありますか?

佐々木:
「まなとも」は今60人くらいメンバーがいるんですけど、最初は規模も小さいし仲良しグループみたいだったんです。
それがコミュニティができて1年が経ちメンバーも増えた頃、一度コミュニティの方向性について大激論が起こったことがあって。そこで「いろんな意見を持っている人がいるんだな」ということに、改めて気づくことができました。それがとても良かったと思っています。
いろんな価値観やバックグラウンドを持っている人がいるからこそ渦を巻くというか、関わり合って生きている生き物みたいなものがコミュニティなんだな、と思います。
「生き物」というコミュニティを運営していくのは大変だし、試行錯誤ばかりですが、そこに価値があると思ってますし、面白いと思ってます。

岩橋:
駐妻だからこそ現地のコミュニティに入った方が良い理由などはありますか?

佐々木:
駐妻って、最初は「駐妻」という括りでしか友達を探せないんです。でも駐妻にもいろんな人がいる。働きたい人もいれば、そうじゃない人もいる。
でも「働きたい人がいる」というところに行けば、自分のしたい話ができます。自分の興味のあるコミュニティがあれば、そこに入ることで、早い段階で仲間ができるのはメリットだと思います。

岩橋:
今の話は、人と仲間になっていく時の大きなヒントですね。自分の方向性があるからこそ、近い人と仲間になれる。私もコミュニティ運営で大切にしているところです。
真紀子さんの立ち上げたコミュニティを引き受けることになった真由子さんはどうでしょうか?

吉道:
先ほどコミュニティ運営について大激論があったという話が出ましたが、その時に私は真紀子さんに対して本音をぶつけてしまったんです。言い過ぎだったと思うくらいなんですが…。
でも、そうやって本音をぶつけられるという関係性があるから、コミュニティの運営を続けられているとも思います。
私はみんなを引っ張っていくとか、そういうことはできないので。
真紀子さんと私はバックグラウンドは全然違いますが、MYコンパスラボという共通のベースのようなものがあるから、距離も縮まって、信頼関係もできたのかなと思います。

岩橋:
今はもう、表面上の付き合いだけでは乗り越えられない時代に来ているので、心の深い部分で繋がり合える関係は重要ですね。それはオンラインコミュニティであれば可能だったりします。これからの時代を生き抜く中で、オンラインで繋がるスキルというのは不可欠だと思います。

■今の時代を生き抜く、これからの駐妻像とは?
岩橋:
最後に、今の時代を生き抜くこれからの駐妻像、「駐妻2.0」について、みなさんへのメッセージとしてお伝えいただけたらと思います。

吉道:
私は「自分の人生を自分らしく主体的に歩み続ける人」だと思います。
自分らしく、自分がどうしたいのかを、自分で考えて、自分で判断して、行動して歩み続ける人が、これからの駐妻2.0なんじゃないかなと思っています。

佐々木:
私は「駐妻期間をキャリアの飛躍期間にできる人」だと思っています。
自分の日本での生活をリセットされたからこそ、駐妻期間を自分を取り戻す期間にして、「これをやりたいんだ」という覚悟を決めて、日本へ帰ったり次の国へ行ったり、そうやって輝ける女性が増えて行ったらいいなと思います。

岩橋:
人生は「今」が大事ですよね。
「今」の積み重ねが未来を作っていくのだけど、駐妻の期間は、日本にいないからか「仮の人生」みたいな感じになってしまいがちかもしれません。
でも「大切なのは今だよ」というのが、お二人からのメッセージだったと思います。私もそこはとても共感します。

これで第二部を終了します。ありがとうございました。

参加者のご感想

今回の定例会には、世界各地よりたくさんの方々にご参加いただきました!
バンコク、ジャカルタはもちろん、ボルネオ島(マレーシア)、マニラ、中国(広州、深圳)、ドバイ…。
もちろん日本各地からもご参加いただきました。

参加者からのご感想もたくさんいただいておりますので、一部をご紹介いたします。

■第一部のご感想
・自分ではない気持ちは取り払うという考え方に目から鱗でした。
・自己概念がどうやって形成されていくかについて参考になりました。
・社会環境も変わるし、家庭環境もどんどん変わっていくので、定期的に自分の指針を見つめなおしていきたいなと思いました。
・MYコンパスを定める前に、「本当の自分の気持ち」を発見することが大事だという事は発見でした!
・ 自分のつくりたい未来をつくるために、マイコンパスを持ちたいです!

■第二部のご感想
・駐在を始めたばかりの今、出会えてよかったです!
・帯同期間を「仮」として捉えていた自分がいることに気付きました。今の期間もキャリアの一部と捉えて、自信を持って行動しようと思います。
・MYコンパスカレッジに入る前には想像出来なかった、新しい駐妻像が垣間見えました!
・キャリアに迷ったら自分を見つめ直す、キャリアを本気で考える、そういうことが大事なんですよね。
・これからの予測できない時代にまさに自分たちで未来を創っているコミュニティだと感じました!
・駐在先で、発信やコミュニティ運営、そのほかいろいろな挑戦をされているパネラーのお二人のリアルなお話には、とても勇気をいただきました!!ありがとうございました♡

レポートの最後には、ブログのご紹介もしています。
そちらもぜひお読みください!

駐妻アンケートについて

今回の定例会では、事前に「駐在妻のキャリアアンケート」を行い、その速報も発表いたしました。

アンケートにはMYコンパスカレッジ以外の駐妻の方からも多数ご回答をいただき、非常に貴重なデータがたくさん集まりました。
ご協力いただいた駐妻のみなさま、本当にありがとうございました!

定例会のバンコク会場には、アンケートにご協力いただいた一般の方にもお越しいただきました。MYコンパスカレッジという枠を超えて、駐妻が繋がる機会を持てたことも、とても意義深かったと感じています。

アンケートの対象は「現在駐在妻の方(家族の海外転勤に帯同されている方)または過去3年以内に本帰国された元駐在妻の方」で、有効回答数は162でした。

悩みの多い駐妻かと思いきや、65%の方が駐妻期間にほぼ満足しているという驚きの結果が。

「駐在妻のキャリアアンケート」については、こちらで詳細を報告しています。ぜひご覧ください!
>>【プレスリリース】仕事を離れ「私らしいキャリア」を探し求める女性たち〜育休女性・駐在妻の生き方・働き方に関する調査レポート〜

(テキスト・編集:八代宜子

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【岩橋ひかりのブログ】
心が震える定例会でした

【登壇してくださったお二人のブログ】
mayukoさん:パネラーになった経緯

まきこさん:【開催レポ】駐妻2.0~オンラインでつくる新しいキャリア~

【参加してくださった方のブログ】
hokkoriさん:悩みつつも前に進む駐妻たち

Machicoさん:【参加レポ】駐妻2.0とは「自分で未来を決めて、つくること」

Ninaさん:【レポ】駐妻2.0 時代の変革期を生き抜くためには

Stellaさん:【学び】「駐妻2.0」次世代の駐妻とは

rin-mh-bkkさん:【MYコンパスカレッジ定例会参加】やっぱり’自分を知る’ここ!

Mihoさん:『駐在妻2.0~オンラインで作る新しいキャリア~』セミナーレポ

sabiさん:【定例会感想】次世代駐妻って?

ayumiさん:【レポ】駐妻2.0の真実!世界中どこにいても「私らしく」働く方法とは?